ストレス② ストレス要因には善悪の区別なし

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 ストレス要因は一般的に「物理的ストレス要因」と「心理社会的ストレス要因」に分けられ、「物理的ストレス要因」には受動喫煙やオフィスの環境等、「心理社会的ストレス要因」には経済的不安や人間関係など、さまざまな種類がある。あらゆる病気にストレス要因が関与していると言われるが、ストレス反応には大きな個人差があるため、ストレス要因そのものは善でも悪でもなく、適度なストレスはあった方が健康にも良いとされている。
 ストレス関連疾患には器質的障害を呈する場合(胃潰瘍など)と機能的障害を呈する場合(緊張型頭痛など)に分けられる身体疾患の「病態」である心身症や、うつ病などのいわゆる心の病がある。

【 心身症 】
 1991年の日本心身医学会教育研修委員会において「心身症とは身体疾患の中で、その発症や経過に心理社会的因子が密接に関与し、器質的ないし機能障害が認められる病態をいう。ただし、神経症やうつ病など、他の精神障害に伴う身体症状は除外する」と定義されている。
 体質的に劣っている臓器や弱っている器官に症状が現れ(器官脆弱性)、ストレスによっておこる病気には、皮膚科領域(円形脱毛症・多汗症など)、内分泌系(糖尿病・神経性食欲不振など)、神経系(片頭痛など)、循環器系(本態性高血圧・不整脈など)等の身体のあらゆる領域においてさまざまなものがある。

 心身症にみられる心理行動特性
 アレキシサイミア(alexithymia) ・・・ 心理的側面の特徴で、「失感情症」「失感情言語化症」といわれ、自分の気持ちや感情を認知したり、表現することが不得手な傾向をいう。具体的には「想像力に乏しく悩みを人に伝えることがうまくできない」「感情を表現する際に言葉より行動に訴える傾向が強い」「コミュニケーションがうまくとれない」などの特徴がある。
 過剰適応 ・・・ 社会的側面の特徴で、生真面目で過剰なまでに仕事にのめり込む傾向。自己犠牲的となりやすく、置かれた状況に全面的に自分を合わせることで自らを適応させる。不適応傾向を示す神経症とは対照的な特徴。
 タイプA行動パターン ・・・ 虚血性心疾患にみられる行動的側面の危険因子として米国で提唱された行動様式。その特徴には、「時間に追われる切迫感が強い」「焦燥感を伴った敏速な行動をとる」「熱中的で精力的である」などがある。

 心身症に対しては、カウンセリングと薬物療法に加え、各身体疾患に応じた治療が行われる。「身体言語の傾聴」「感情を取り戻す技法」「感情を適切な形で表出するスキル訓練」などのアプローチが求められ、バイオフィードバック法・ゲシュタルト療法・フォーカシング・脚本分析・行動療法(リラクセーション法/主張訓練)・認知行動療法等が用いられる。
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